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~Trados Studioってなに?~第10回「翻訳メモリの共有と管理」

皆さんこんにちは! SDLジャパンの西海です。このブログでは、Trados Studioという翻訳ツールについてご紹介をしていきます。

第10回はお客様からよく聞かれる翻訳メモリの共有と管理についてお話します。
Trados Studioの肝となる翻訳メモリですが、ユーザ間で共有することでさらにメリットは大きくなります。気になる方も多いテーマではないでしょうか。今日の内容は既にTradosをお持ちのユーザ様にもお役に立つ情報ですのでぜひチェックしてみてください。翻訳メモリの基本的な機能については第2回のブログをご覧ください。

まずは知っておいていただきたい基本の内容からお話します。

翻訳メモリってどんな形式で保存されるの?

「翻訳メモリは翻訳データを蓄積するデータベースです」と我々もよく説明をしています。データベースというと、なにか特別なデータベース用ソフトやシステムが必要と思う方もいるのではないでしょうか。実は翻訳メモリはファイルベースで保存されるもので、普段皆さんが使っているファイルの取扱と同じなんです。こんな感じ。

翻訳メモリは.sdltmという拡張子で保存され、wordなどと同じ感覚でコピーや移動をしたりメール添付で他の方へ送ることができます。(用語ベースも同様にファイルベースで.sdltbという拡張子で保存されます)

※翻訳メモリや用語ベースは指定したフォルダに保存され、Trados上からはそれを参照します。Trados上に直接保存されていくわけではありません。

考え方は「データベース」ですが、実態は「ファイル」なんですね!
Trados以外に特別なツールは必要ありません。

翻訳メモリの作成と使用

翻訳メモリは何個でも作ることができ、作成はTrados上で簡単に行うことができます。例えば社内で以下3種類の翻訳を行っているとします。

・製品Aのマニュアル
・製品Bのマニュアル
・契約書

このような場合、翻訳メモリを3個作成しそれぞれの内容を蓄積していくのが一般的です。

「でも分けたら1つしか使えないのでは?」と思うかもしれませんが、翻訳メモリは何個でも使用することができるのでご安心ください。

例えば製品Aの翻訳をする際、製品Aメモリに加えて製品Bのメモリからも流用できる分節があるかもしれないから使いたい、という場合は2個選択をします。
以下、翻訳プロジェクトを作成する際に翻訳メモリを選択するTrados上の実際の画面です。「使用」から翻訳メモリを選択するだけなので使用は簡単!選択済みの翻訳メモリはリストで表示されます。

この時製品Aの翻訳内容が製品Bメモリにも追加され混同するのがイヤという場合もありますよね。そんな場合は、右側にある「更新」のチェックを外すと中身は更新されず参照用として使えますよ。このようにジャンルで翻訳メモリをわけることで、更新したい翻訳メモリを制限できるので使い勝手が良くなります。

次に翻訳メモリの共有についてです。

翻訳メモリって共有できるの?

これは1番よく聞かれる質問です。
結論から言うと、できます!

共有をすることで他の人が翻訳したデータを参照できるので、時間を削減しそれと同時にユーザ間で質を統一することができます。これが1番大きなメリットですね。
ただしいくつがご理解いただきたい点がありますので次の内容を読んでくださいね。

・共有は同時アクセスではない
先程お伝えした通り、翻訳メモリはファイルベースで保存されています。例えばExcelファイルに複数のユーザが同時にアクセスできないのは皆さんご存知ですよね?誰かが使用中は他の人は使用できません。翻訳メモリも同じ考え方なのです。
使用中の人が翻訳を終えると(翻訳メモリの使用を終えると)誰か他の人が使用できるようになります。みんなが同時に1つのファイルに同時にアクセスをし更新できるわけではありません。

ここまで皆さんついてきていますか?
非常に大事なところですので、頑張ってついてきてください!

・共有は手動
他のユーザと翻訳メモリを共有するには、コピーをして手動でその方へ翻訳メモリを渡す必要があります。もしくは共有サーバに置いて、誰かが使用を終了したら他の方が使えるというイメージです。こちらもExcelの例を思い浮かべるとわかりやすいかと思います。

・同時に作業する場合は各自が翻訳メモリを持つ
翻訳メモリの共有は同時アクセスではないため、複数人で同時に作業をする場合は各自が翻訳メモリを持ちそれぞれ更新を行います。イメージはこちら。

【ご参考~同時共有を実現するツール~】
「GroupShare」というオプションツールを導入すると、Tradosで使用するファイルを一元管理し、また複数ユーザがファイルに同時アクセスできるようになります。これによりリアルタイムの共有が可能になり、誰かが更新したデータをすぐに使うことができます。GroupShare上には翻訳メモリ、用語ベース、プロジェクトをアップし皆さんが共有しながら翻訳を進められます。GroupShareは以下の場合に適しています。

・複数ユーザで翻訳をしている
・ユーザ間でのファイルのやり取りが頻繁に起こる(メール添付など)
・翻訳メモリをリアルタイムで共有したい(1つの翻訳メモリへの同時アクセス)
・翻訳メモリの差分抽出と統合が面倒

ご利用イメージは以下の通りです。

GroupShareについてはここでは詳しく説明しませんが、興味のある方はお気軽にお問い合わせください。(メールアドレスは末尾に記載しております)

翻訳メモリの統合

先程、同時に翻訳をしたい場合は各ユーザが翻訳メモリを持つ必要があるとお伝えしました。「え、そしたら翻訳メモリはバラバラに更新されるんじゃないの?」その通りです。そんな場合は統合を行うことでメモリを1つに統合することができます。統合作業は簡単に行なえます。

ここでのポイントはある程度のルールを設定することです。
・どのくらいの頻度で統合するのか
・レビュー後のものを統合するのか
・誰が統合を行うのか
などです。

理想的には翻訳メモリ管理者のようなリーダーを設定し、その方がマスターメモリを更新・管理するのがお勧めです。これにより翻訳者が誤った内容を更新したり、不純なものが入ることを防ぐことができます。

例えば、3名(Aさん、Bさん、Cさん)で翻訳をしておりAさんをリーダーとして設定します。毎日作業が終わったら作業分を抽出してAさんに渡し、チェック後にAさんがマスターメモリを更新します。
そして次の日はAさんが更新した最新版を皆さんでコピーして使用するという流れです。
この運用を行うことで、3名間でデータを共有することが可能となります。

ここからは少し管理についても触れていきます。

メンテナンス

翻訳メモリの中身は日々の作業でどんどん蓄積されていき、長期でみると誤った表現や重複、関係のない分節が混ざってしまうことがあります。翻訳メモリは定期的にメンテナンスをすることでキレイな中身を保つことができます。1度登録したら消せない、修正できないということはありませんのでご安心ください。

以下は実際に翻訳メモリの中身を表示している画面です。(英日メモリの例です)
対訳形式で中身を見ながら修正や削除を行います。このビューでは特定の条件で検索をしたり、重複する文節を表示することが可能です。

品質を担保するため、定期的にメンテナンスをすることをお勧めいたします。

翻訳メモリを管理するポイント

翻訳メモリの管理は実際のところ、各社様々で正解はありません。工夫をしてうまく運用している会社様もたくさんあります。最後にいくつかポイントをお伝えしますので、ぜひご自身の会社でどのような運用が良いのか考えてみてくださいね。

・翻訳メモリはどう分けるのがいいか
こちらもよく聞かれる質問です。翻訳メモリは同一/類似の文を使いまわしていきますよね?つまり、表現や言い回しが同じものは同じメモリに入れるのがよいのです。

例えば「です、ます」調なのか、「だ、る」調なのか。
フォーマルなのか、カジュアルなのか。
契約書なのか、製品マニュアルなのか、などの視点も判断のポイントになるかと思います

・1つにまとめてもいいの?
物理的には可能ですが、1つの翻訳メモリに全てのデータを入れると膨大になってしまいます。その結果不要な候補が出てきたり、あまりにデータが多いと検索速度が遅くなるなど使い勝手が悪くなります。そのためある程度のジャンルで翻訳メモリを分けることをお勧めいたします。(繰り返しになりますが、わけても複数使うことはできますのでご心配なく!)

・細かくわけすぎる
逆に、翻訳メモリをカテゴリー毎に細かくわけすぎると管理が煩雑になり使いたいものが使えない可能性が出てきますので、こちらも注意!バランスよくわけるのが大事なんですね。

・こだわりすぎない
翻訳メモリは、ある程度キレイな中身を保つことが大切ですがあまりこだわりすぎるとストレスを感じたり作業が進まないことがあります。誤ったものが混ざれば後日メンテナンスを行えばよく、また翻訳中にも不要なものを随時削除・修正することができます。
本来、翻訳メモリは時間短縮を目指すものですので、ここに時間をかけすぎるのもよくないんですね。あまり気負いしすぎず、気楽に使っていくのも大切ですよ~。

・品質基準を作る
翻訳メモリを更新する際に、ネイティブチェックが必要なのか、各翻訳者に任せるのか、確認が必要な場合は誰にチェックを依頼するのか、など基準を作ることで翻訳メモリの品質を一定以上保ちやすくなります。

今日は少し踏み込んだ翻訳メモリの共有と管理についてお伝えしましたが、いかがでしたか?少し難しく感じられたかもしれませんが、大事な内容ですのでお伝えしてみました。翻訳メモリはうまく活用し共有することで、会社全体で大きなメリットがうまれます。せっかく1度翻訳したデータがあるなら、皆さんで活用したいですよね。

わからないことがあればお気軽にご相談ください。

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■過去のブログ■
第1回「Trados Studioの自己紹介」
https://blog.sdltrados.com/jp/intoduction-sdl-trados-studio/
第2回「翻訳メモリ」
https://blog.sdltrados.com/jp/translation-memory-sdl-trados-studio/
第3回「用語ベース」
https://blog.sdltrados.com/jp/sdl-trados-studio-termbase/
第4回「機械翻訳とは違う!?」
https://blog.sdltrados.com/jp/trados-studio-machine-translation/
第5回「Tradosで使用するファイル」
https://blog.sdltrados.com/jp/sdl-trados-studio-file-types/
第6回「Trados Studioの歴史」
https://blog.sdltrados.com/jp/sdl-trados-studio-history/
第7回「Tradosの活用例、製造業界編!」
https://blog.sdltrados.com/jp/sdl-trados-studio-manufacturing/
第8回「Tradosの活用例、特許業界編!」
https://jp.blog.sdltrados.com/sdl-trados-studio-patent-law/
第9回「翻訳業務を標準化しよう」
https://jp.blog.sdltrados.com/standardization-translation-with-trados/

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