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Community Advanced Display Filter -さらに高度な表示フィルタ (2)

こんにちは、SDLジャパンの土田です。こちらのブログで、Trados Studioを中心としたSDL製品の技術的な情報をお届けしています。

前回「Community Advanced Display Filter」というプラグインについてお話ししましたが、1回の記事ではその豊富な機能をすべてご紹介することができませんでした。

今回も引き続き、Community Advanced Display Filterのフィルタリング機能についてご説明したいと思います。

Community Advanced Display Filterの入手方法とテキストフィルタリングの機能については、前回のエントリをお読みください。

Community Advanced Display Filter - さらに高度な表示フィルタ (1)
https://www.sdltrados.com/jp/blog/plugin_cadf_1.html

今回の記事では引き続き、Community Advanced Display Filterに搭載されている独自のフィルタリング機能についてお話します。


分節の属性によるフィルタリング - あいまい一致の修正(Fuzzy Repair)を検出

分節の属性によるフィルタリング機能は従来の[高度な表示フィルタ]にも存在しますが、Community Advanced Display Filterではこちらがさらに強化されています。こちらに関するご紹介から始めましょう。

upLIFT機能の一部に「あいまい一致の修正(Fuzzy Repair)」があります。こちらはあいまい一致の差分を自動的に修正する機能ですが、Community Advanced Display Filterではこちらが適用された分節を抽出できます。これは従来の「高度な表示フィルタ」には無い機能です。

例えばこのような編集状態のバイリンガルファイルがあったとします。分節1と3にあいまい一致の修正が適用されています。

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ここでCommunity Advanced Display Filterウィンドウを開きます。[Filter Attributes]タブの[Origin]より[Fuzzy Match Repair]を選択し、[Apply Filter]をクリックします。

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その結果、あいまい一致の修正が適用された分節1と3のみが抽出されました。

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分節の属性によるフィルタリング – 編集済みあるいは未編集のあいまい一致を検出

また通常のあいまい一致に関しても「手動で編集されたあいまい一致」の分節あるいは「未編集で入力されたあいまい一致」の分節を抽出することができます。

先ほどの例で、分節5を見てみましょう。92%のあいまい一致から訳文が入力され、そこから手動で訳文が編集されています。その後、訳文が確定されたことが分かります。

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Community Advanced Display Filterにて、[Filter Attributes]タブの[Origin]より[Edited Fuzzy]を選択し、[Apply Filter]をクリックします。

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あいまい一致を編集済みである分節5のみが抽出されました。

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それに対して、分節4においては99%のあいまい一致から訳文が自動入力されていますが、訳文の編集はまだ行なわれていません。

今度は[Unedited Fuzzy]を選択してみましょう。

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[Apply Filter]をクリックすると、あいまい一致が未編集のまま分節が抽出されました。先ほどの「あいまい一致の修正(Fuzzy Repair)」もこの中に含まれます。

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あいまい一致の編集忘れを一覧表示したい時などは、このフィルタリング条件が便利です。


分節の属性によるフィルタリング – 機械翻訳の適用箇所を抽出する

Trados Studio 2019 SR2 CU4より、SDLのニューラル機械翻訳(NMT)サービスが適用された箇所は[NMT]と表示されます。

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この分節のみをフィルタリングすることも可能です。[Filter Attributes]タブの[Origin]より[Neural Machine Translation]を選択します。また、従来の機械翻訳に対して表示される[AT]の分節も、[Automated translations]を選択することで抽出可能です。

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Language Machine Translation (NMT) は現在、従来のLanguage Cloud 無料サブスクリプションにご登録いただければ自動的にご利用いただけます。詳しくは以下のページをご覧ください。
https://www.sdltrados.com/jp/products/machine-translation/access-nmt-in-studio.html


分節の属性によるフィルタリング – 繰り返しの初出を抽出する

原文の繰り返しを抽出する機能は従来の「高度な表示フィルタ」にも存在します。しかし「繰り返しの初出」と「繰り返されず一度しか現れない文」を同時に抽出することはできませんでした。

例えば以下のような原文の時に、繰り返しの初出である分節1および2と、繰り返し無し(一度のみ)の分節だけである分節4を抽出したいとします。 

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このような場合、[Filter Attributes]タブの[Repetitions]より[Unique Occurences]を選択します。 

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目的どおり、繰り返しの初出である分節と繰り返し無しの分節がどちらも抽出されました。 

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コメントによるフィルタリング – 正規表現が利用可能に

従来の「高度な表示フィルタ」にも存在する、コメントのテキスト内容によるフィルタリング機能にも改善があります。テキストの検索条件を正規表現パターンで使用することが可能になりました。

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分節のメタ情報によるフィルタリング

Community Advanced Display Filterには[Segment]というタブが追加されています。これは分節のさまざまなメタ情報でフィルタリングをかけるという、大きな追加機能です。

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[Number options]では分節番号の偶数・奇数、あるいは分節番号の範囲を指定してフィルタリングできます。特に分節番号の範囲指定は「12-21,45-53」というように複数範囲を同時に指定できますのでとても便利です。

[Segments options]では、分割や結合がおこわなれた分節、原文と訳文が同一である分節、タグを含んでいる分節を選んで指定できます。

[User options]では訳文を最初に作成したユーザーおよび訳文を修正したユーザーで抽出条件を指定できます。複数のユーザー「|」で区切って入力することでOR条件の検索を行ないます。

[Fuzzy values between]ではあいまい一致の一致率を範囲指定し、該当する一致率の分節を抽出できます。


抽出された分節をハイライトで強調する

抽出された結果の分節のみに対してハイライト色を追加し、フィルタをクリアした後も強調表示させることが可能です。

たとえば、先ほどの例での「あいまい一致の修正」が適用された分節を、ハイライトで表示したいとします(ここでは分節1と分節3が該当します)。

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先ほどと同様に、[Filter Attributes]タブの[Origin]より[Fuzzy Match Repair]を選択し、[Apply Filter]をクリックします。

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フィルタリング完了後に、[Highlight]>[Colors]よりハイライト職を選択します。

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フィルタを解除した後も、指定した箇所がハイライト表示されます。このハイライト色は訳文ファイル上にも生成時に反映されます。

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以上、2回にわたってCommunity Advanced Display Filterの豊富な機能についてご紹介しました。みなさまも是非、お試しいただければと思います。