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翻訳プロジェクトマネージャーのさまざまな顔

この数年間、言語サービス界は驚異的なスピードで成長しています。このスピードについていくため、プロジェクトに関わる人々の役割はあいまいになってきており、プロであろうと、冷遇されないように多種多様なスキルを身につける必要があります。

このユニバース(宇宙)はさまざまな登場人物で構成されますが、その中でも重要なのが翻訳者、顧客、翻訳会社の3つです。翻訳者(個人翻訳者、社内翻訳者を問わず)は主役を務めるアーティスト、顧客(直接的、間接的を問わず)は国際的に存在感を示す必要がある仕事の最終的なコミッショナー、翻訳会社(単一言語、多言語ベンダーを問わず)はさまざまなプロを雇ってプロセス全体を統制する仲介人です。

ローカリゼーションマネージャーは、翻訳会社のマイクロユニバースに存在します(存在しないこともあります)。

では具体的に、(ローカリゼーション)プロジェクトマネージャーとはどのような人物でなのでしょうか?そして、昨今のプロジェクト管理とはどのような業務なのでしょうか?

簡単に言うと、プロジェクトマネージャーは、プロジェクト全体を管理する指揮者であり、関連する評価や義務を一身に負うプロセスオーナーです。

変化する業界

創成期のプロジェクトマネージャーは、郵便配達人のようなものでした。最も古典的な例では、プロジェクトマネージャーが翻訳リクエストを受け、決められた要素(テキストの種類、言語ペア、料金、納期)に従って内容を評価し、プロジェクトに関わるさまざまなプロ(翻訳者、レビュアー、校正者)に引き渡し、最終的に顧客に納品します。ただし、これは一昔前のことであり、プロジェクト管理という概念に大変革をもたらす一連の技術開発が行われる前の話です。

実世界は、仮想世界とほぼ同じ速さで変化しています。新たなテクノロジーが限界をすべて取り払ってしまったようで、誰もが自分の手の届く範囲であらゆることを実現できるようになっています。このような荒波に日々揉まれているプロジェクトマネージャーは、流されてしまわないよう、多岐にわたって必要不可欠なスキルを習得しなければなりません。これは生き残りをかけた問題なのです。専門性の高いプロジェクトマネージャーになればなるほど、その存在は、プロジェクトの成功と質の高さ、高い顧客満足度を実現するために欠かせなくなります。

外交官

現代のPMは、とりわけ外交官的要素が強く、他者と(ほとんどの場合は英語で)適切にコミュニケーションできる必要があります。顧客、翻訳者、レビュアー、エンジニア、会計部門などの間に介在する唯一の窓口である場合も多く、相手が書いていること、そして何よりもどのように書かれているかに注意を払う必要があります。常に相手に適した語調で明確なコミュニケーションを心がけるべきであり、文面によるコミュニケーションが(ほとんどの場面で)関係全般を管理する主要な方法であることを念頭に置いて行わなければなりません。

仲裁人

優れたプロジェクトマネージャーは、顧客と翻訳チームの関係(場合によっては、自分との関係)が支障をきたさないように、絶えず仲裁する必要があると心得ています。状況に応じて、会社側に立ってはっきり意見することもあれば、さまざまな関係者の視点に立って代弁者になることもあります。

精神分析学者

したがって、現代のPMは、あらゆる側面を慎重に分析する必要のある精神分析学者と言えます。まずは、実務的なこと、例えば原文テキストの種類やトピック、必要な翻訳支援ツール、スケジュール、予算などについて、今後の問題や影響を含めて分析します。最初の分析が完了したら、目的が特定され、あとはそれを達成するのみです。ここが、優れたPMと勝者の分かれ目となります。真のプロなら、顧客やサプライヤを理解する必要があり、そのため(場合によっては地球の反対側にいる)相手の人物像を直接会わずに研究しなければならないとわかっています。現場を調査して、どの程度まで許容できるのか把握します。堅苦しくないコミュニケーション、電話、Eメールの絵文字は、印象を和らげ、共感しやすい人との関係を育む一方、厳格な性格の人には、飾りを省いた短くて明確なEメールの方が落ち着きます。

リモート作業の普及により、さまざまな機会がもたらされ、プロジェクトマネージャーは世界各地に住む個人翻訳者と連携することが多くなり、それに関連する問題や悩みも出てきています。多くの場合、翻訳者はPMと連絡を取り合い、問題について話し合う必要があります。単なるおしゃべりでもかまいません。PMは翻訳者の話を聞き、解決策を提供し(単に聞くだけの場合もあります)、(多くは電話で)コミュニケーションを終了します。精神分析医がセラピーセッションをするのと変わりありません。

このように、プロジェクト管理には、明確に言い表せるものからそうでないものまで、さまざまな役割が含まれています。1日たりとも同じ日はありません。プロジェクトマネージャーは常にプレッシャーにさらされていますが、これは、プロとして、もしくは人として、日々限界に挑戦する励みとなっているはずです。プロジェクトマネージャーがさらに進化して、自分自身や自分が携わっているプロセスを改革できます。その時々の要件に応じて、プロセスの改革、標準化、自動化を選択できるのです。

プロジェクトマネージャーの仕事は、絶えず変革し続けるこの業界を物語っています。

プロジェクト管理の主要な問題点の解決について詳しくは、こちらをご覧ください。